ヤミ金とは?
「ヤミ金とは、日本語で「闇金融業者」を意味します。通常の消費者金融やクレジットカード会社が毎月の返済を求めるのに対し、ヤミ金は週1回や隔週で極めて高い金利での返済を求め、中には「トゴ」(10日ごとに5%、年率1,825%)を請求する業者も存在します。
ヤミ金は、多重債務者、中小企業、破産者などをターゲットに、連絡先を入手してダイレクトメールを送り、融資を勧誘しています。ヤミ金は、借主の家族を標的にしたり、職場に迷惑をかけたりと、非情な取り立てを行うことで知られています。もし、ヤミ金の被害に遭われた方は、警察に相談されることをお勧めします。
ヤミ金は、必要な登録を財務省や自治体に申請せず、消費者金融法に従わない違法な営業を行っています。消費者金融では、利息制限法という法律で貸付金利の上限が定められていますが、ヤミ金はこの法律を無視し、非常に高い金利を設定しています。
現実には、貸金業は初期資金さえあれば比較的容易に始められるものであり、適切な規制がなければモラルが崩壊し、利益のために過剰な取り立てや悪徳商法が行われる危険性がある。したがって、正規の消費者金融が法律を守って適正に事業を行うのに対し、ヤミ金は抜け道を利用して違法な営業を行っているのです。
ソフト闇金と闇金の違い
1.固定電話番号も公表
「闇の金融業者」とも呼ばれるソフト闇金は、携帯電話番号に加え、固定電話番号も公表している点が驚きです。ほとんどのヤミ金が携帯電話(090金融)でしか連絡が取れないのに対し、ソフトヤミ金は固定電話番号と会社のURLを大きく掲載しています。違法な貸付を行っている会社が、堂々と宣伝しているのは驚きです。ホームページには金利が2~3%と記載されており、会社概要にはヤミ金であることまで明記されています。
2.利息は1週間単位で計算
利息は週単位で計算されます。一般的にヤミ金は週単位で運営されていますが、ソフトヤミ金では隔週での支払いも受け付けているところが多くあります。例えば、2万円を2週間、金利3%で借りた場合を考えてみましょう。利息は2万円×30%=6,000円となり、返済日の総返済額は2万6,000円となる。50,000円を借りた場合、利息は50,000円×30%=15,000円となり、返済期日の総返済額は65,000円となります。
3.初回は利息と手数料が差し引かれ、借りられる金額は少ない
ソフトヤミ金もヤミ金も個人信用情報機関に加盟していないため、通常の消費者金融のような与信審査は行っていません。しかし、どのように受付件数を決めているのかは不明ですが、「申し込みが多い」と言われることはよくあることです。どちらのタイプの違法な貸金業者も、最初の融資については同じように、借入額から最初の1週間分の利息を差し引き、処理手数料を加えてから残額を借り手に振り込むという方法で運営されています。例えば、3万円を金利13%で借りた場合、利息が9,000円、手数料が2,000円で、合計1万1,000円が差し引かれ、借り手は19,000円しか受け取れないことになります。事業者によっては、3,000円から5,000円程度の高い手数料を取るところもあります。
ジャンプ手数料(10日で3割の利息!)
実際には、ソフト闇金がお金を貸す際には、3万円の利息が前払いとして差し引かれるので、10万円の借り入れを申し込んだとしても、7万円程度しか手元に残りません。さらに数千円から1万円程度の手数料や契約料がかかることもあり、手元に残る金額は6万円程度になることもあります。
返済は、毎月の返済サイクルがある通常の消費者金融とは異なり、10日後に行われます。借り入れから10日後に借り入れ全額を一括で返済する必要があります。ソフト闇金で借りた人は、通常の消費者金融の審査に通らず、どこからも借りられません。そんな人が、本当に10日後に借りた全額を一括で返せるのでしょうか。
結局、利息だけでも払ってくださいと言われることが多いのですが、これはヤミ金業界では「ジャンプ」と呼ばれる行為です。ジャンプには手数料もかかり、数千円から1万円程度かかる。仮に10万円の融資を受けた場合、3万円の利息とジャンプの手数料を請求されます。
ソフト闇金も違法
ヤミ金もソフト闇金も無認可での金融業です。通常の消費者金融とは、金利や返済条件、融資額などに大きな違いがあり、無理な返済額で生活に支障をきたす可能性があります。絶望的な経済状況で他に頼るところがないとき、ウェブ上で「信用力の低い方でも貸します」「審査が有利」といった甘い言葉に誘われても、現実には大きな危険の落とし穴に落ちてしまう可能性があるのです。
現在、ヤミ金もソフトヤミ金も審査に落ちることが多く、最終的には「口座買い取り」という債務整理に誘導し、さらに弊害が出ることがあります。生活上、どうしてもお金が必要な場合、ソフト闇金やヤミ金融から借りると、将来を破壊することになることは過去の多くの事例の歴史が示しています。
ヤミ金は専業主婦を狙っている
専業主婦の方の中には、夫に内緒でブランド品を購入したいときや、次の夫の給料までのつなぎとしてお金が必要なとき、消費者金融からお金を借りることを検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、残念ながら、収入のない専業主婦は消費者金融からお金を借りることができません。
というのも、貸金業法の改正で年収の3分の1までしか借りられないという総量規制が導入され、収入のない専業主婦への融資は消費者金融ではできなくなったからです。こうした背景から、専業主婦に積極的にアプローチするヤミ金(違法・悪徳な貸金業者)が存在するようです。消費者金融に不慣れな専業主婦は、こうしたヤミ金からお金を借りて、高すぎる金利のために返済不能に陥るというトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ヤミ金業者の手口
システム金融
専ら自営業者や中小企業者に対して貸し付けを行う業者です。貸金業無登録で高金利、ダイレクトメール・ファックス ・チラシ等を送りつけ勧誘します。また、過去に商工ローン業者などから借り入れた者のリストなどを入手して勧誘し ます。1度このような業者から借り入れをすると、この業者間独自のネットワークシステムにより、他の同業者から大 量に勧誘のファックスやダイレクトメールが送られてきます。いわゆる業者のたらい回しにあうのです。また、事業者 向けが多いため手形・小切手を担保にとり不渡りを恐れる債務者から高利を取り立てます。大阪や東京を中心に約2, 000社あると言われています。(事例)借金の支払日が近づいている業者に対し、ファックスで勧誘を行い、申込みがなされると審査結果がファックスで送ら れる。契約内容は50万円の融資申込みに対して10日おきに25万円の小切手を3枚切るというもの。
090金融
携帯電話を使うので「090金融」と呼ばれています。基本的に事務所などを持たず、プリペイド式の携帯電話で連絡 を取り、車を使って直接現金の受け渡しを行うので摘発するにしても業者の特定が困難です。 ダイレクトメール・チラ シや電柱にビラを貼り「破産者OK」「ブラックOK」等と記載して個人相手に5万円程度の小口の貸付を行います。
年金担保金融
お年寄りの年金を食い物にする悪質な業者です。年金を担保に融資を行います」「年金立替」などとスポーツ新聞など の広告欄に掲載しています。お年寄りから言葉巧みに「年金証書」「振込通帳」「印鑑」などを取り上げ、お金を融資 したします。この証書などを使って業者側が年金を受け取ります。また、多くの場合完済した後も「年金証書」などを 返還せずに年金を奪い続けるようです。ちなみに年金を担保に融資を受けることは法律上禁止されています。
自動車金融
「車に乗ったまま融資」などと電柱にビラを貼付けているのが自動車金融です。実体は、まず一旦車の売買契約を締結 して債権者の所有とし、売買代金としてお金を融資します。そして、リース契約を結び債務者に車をリースするという 形にします。このリース料金が実質「高利な利息」となり債務者は車に乗ったまま高利な利息を返済し続けます。滞納 などをすると車の名義は債権者に変えてありますし、合い鍵等も作成していますので、ある日突然に車を持って行かれ てしまうのです。
紹介屋(コーチ屋)
多重債務者に、新しい借入先を紹介するなどと称して、融資額の2~4割の手数料を稼ぐ業者です。あたかも自分の紹 介で融資を得られたかの様にみせますが、実際は全く関係の無い業者を下調べし、債務者に教えるだけで何もしていな いケースが殆どです。いわゆる金融業者と偽って申込者に他社借入れを斡旋し、その手数料を強要する業者です。(相談事例)融資を申し込むと、うちでは貸せないと言われ、ある大手業者を紹介された。そこで50万円の融資を受けた後に最初 の会社に電話をすると紹介手数料という名目で20万円を書留で郵送するように言われた。
整理屋
多重債務者に対して、債務を整理してやると言って近づき、違法な手数料を取って、債務を1本(1社)に整理する業 者です。実際は、いいかげんな手続きが為される場合が多く、ひど い場合は何も手続きをしないこともあります。また 、弁護士事務所が債務整理を行ったように見せかけているが、弁護士事務所は名前だけを貸している場合が多いようです。
買取屋
多重多額債務に苦しむ人に、クレジットカードで換金性の高い商品や高額な商品を買わせ、その商品を換金し、多額の 手数料を要求する業者です。債務者には手数料を引かれた現金が残るが、同時にクレジットカードで商品を購入した借 金も残るのです。(事例)債務者のクレジットカードで50万円分のビデオ、パソコン等を購入させ、20万円で下取り。差額の30万円は買取 屋の儲けとなる。債務者には20万円の現金は残るものの、後日クレジット会社から50万円に手数料を加えた請求が なされる。
チケット金融
高速道路などの回数券を渡し、それを仲間内の金券ショップで換金させ、1週間後に回数券の額面を回収するというも のです。換金率は概ね80%弱、つまり、金利は1週間で20%強、年利にすれば1,000%を超えるという仕組み になっています。
カラ貸し
実際、金を貸していないのに、電話や電報などで脅迫めいた取り立てを行い、強引に金を振り込ませる。
押し貸し
金融業者が勝手に債務者の口座に金を振り込んで、暴利での返済を迫る。ヤミ金融からお金を借りると、厳しい取り立てにあい、金利を工面するために、違う業者から借金を繰り返して、結局 最後には自己破産してしまう人が急増しています。ヤミ金融などからお金を借りて後悔する前に、次の点をチェックし て業者を慎重に選ぶことが大切です。
・登録業者であるかを確認する。(貸金業者は営業所内に「貸金業者登録票」及び「貸付条件表」の掲示が義務付けられています。しかし、登録業者で も法定金利「年20パーセント」を超える利息を要求する所もあるので要注意。)
・利息計算、返済方法、手数料などをきちんと説明できる業者かをチェックする。
・その他、ダイレクトメール、電話、チラシなどの巧い話に乗らないことです。
ヤミ金融などを利用して、現に暴力や脅迫による取り立てを受けている場合は110番して下さい。また、法外な金利を取られたりした場合は、最寄り警察署の生活安全課や警察安全相談係までご相談ください。